金融政策の具体性 2016 2 13
日本銀行がマイナス金利を導入したのは、
金融機関に対して、融資を拡大させて、
景気拡大を図ったものでしょう。
しかしながら、具体性が乏しいかもしれません。
いったい、誰が、お金を借りるのか。
大企業は、手元資金が潤沢にあるので、
融資を申し込む必要性はないでしょう。
そうすると、中小企業が、
お金を借りるのでしょうか。
しかし、銀行から、お金を借りるとなると、
手続きが面倒な上に使い勝手が悪いと思う経営者もいるでしょう。
個人に関しても、
住宅ローンは飽和状態でしょう。
そうすると、個人向けのカードローンやフリーローンでしょうか。
しかし、このようなローンは、超低金利時代にもかかわらず、
金利が非常に高く、手続きも非常に面倒でしょう。
そういうわけで、大企業も中小企業も個人も、
銀行から、お金を借りようとしないでしょう。
だからこそ、金融機関は、融資ではなく、
ひたすら、長期国債を買い込んで、
長期国債すら、一時的にマイナス金利になったのでしょう。
日本銀行のマイナス金利は、
空回りという感じでしょうか。
金融政策の限界 2016 1 30
日本銀行がマイナス金利を導入すると発表して、
金融市場では、驚きと動揺が広がりました。
金融政策としては正しい。
しかし、これで景気がよくなるか。
街へ出て、商店街の経営者に聞いてみてください。
「お金を借りて、新しい支店を出しますか」
多くの経営者が「いや、現状維持だ」と答えるでしょう。
現在の社会情勢で、新しい店を作っても、
商品が売れるという確信を持つことはできないでしょう。
今、銀行から、お金を借りたいと考えている人たちは、
不動産経営でしょう。
しかし、少子高齢化ということを考えると、
アパート経営も将来的には厳しいものがあります。
私は、2003年から、
「金融政策も財政政策も大いに取り組んでほしい。
しかし、その前にやるべきことがある。
それは、少子化対策である」と書いてきました。
さらに、「いかに経営努力をしても、
少子化のスピードが経営努力のスピードを上回れば、
経営努力は、全く意味のないものになる」とまで書きました。
あれから、10年以上も経過しました。
少子化対策の会議は多かったのですが、
肝心の少子化対策は進展しませんでした。
つまり、「会議ばかりで、結局、何も変わらなかった」という状態が10年以上続いています。